現地だより6
10の講座×10の分科会
100倍学べる
現地実行委員 淺川和也
(東海学園大学)
(東海学園大学)
仲間とともに仲間から学ぶ
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新英研全国大会には10の講座と10の分科会,さらにワークショップが用意されている。10×10=100,100倍学べる新英研大会といえる。
新英研の実践は,何のために英語を教え学ぶのかという目的をおさえ,意味のある内容を伝える英語教育を追求してきている。そこには,教師も生徒も,仲間とともに仲間から学ぶ姿がある。新英研では,いずれの講座や分科会でも,参加者も報告者もともに学ぶことができる。講師や報告者から学ぶのみならず,幅広くベテランから若い人たちが,現場での経験を持ち寄ることに醍醐味があり,皆でつくりあげる大会となっている。
これまでたいせつにしてきたこと
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大会では新英研の中学・高校・大学での総合的な実践が報告される。
日本型の授業研究(レッスン・スタディ)は,教育学でも,近年,注目を集めている。1時間の授業づくり,また,年間を見通した計画は,カリキュラム・マネジメントとして,置き換えることができるであろう。同様にジェンダー問題という内容をどう教材化し,実践するかも興味深い。小学校から大学まで,幅の広い,参加者があることが,新英研の魅力でもある。さらに,現場の教師がつみあげてきた到達度評価を,新進気鋭の研究者によって「ルーブルック」「ポートフォリオ」や(評価指標),CLIL(Content and Language Integrated Learning:内容言語統合型学習)などと接合されることを期待したい。
現場からの実践をつらぬくこと
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新英研の実践研究は次の10の分科会に集約されてきた。
(1) 教科書・自主教材をどう検討し,どう扱うか
(2) 読みとりの力をどう高めるか
(3) 英文法をどう考え,どう教えるか
(4) 音声を重視して,どう教えるか
(5) どんな学力をめざし,どう評価するか
(6) 仲間と学び,自ら学ぶ力をどうつけるか
(7)「おくれがちな子」をどう生きいきさせるか
(8) 表現力,特に自己表現の力をどう広げ,どう高めるか
(9) 平和・環境・人権教育をどうすすめるか
(10)入門期の英語指導をどうすすめるか
内容のある教材を深め,言語材料(音声・文法)の統一をはかり,協同学習をとおして,表現しあうなかで,誰もがちからをつけ,平和な社会をめざすという実践研究が大会に持ちよられてきた。
第54回全国大会 東京大会の分科会はアラカルト方式で構成されるが,これら10の分科会での実践を踏まえた報告に変わりはない。
これまでの分科会と,アラカルト方式を縦糸と横糸に見立て,どんな織物が仕立てられるか。
ガンジーは,植民地主義に抗して,独立をめざすために糸車をまわした。わたくしたちはどんな英語教育を織りあげられるか,プレ集会や全国大会で見いだしたい。それは現場から,わたくしたちの自前の英語教育を織りあげることでもある。
教育員会後援名義とプレ集会
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東京大会では,東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・茨城の6つの教育員会の後援名義使用許可を得ている。公費での出張や研修での参加が保障される(新英研会長よりの出張派遣依頼を用意)。
6月27日には,大会のひらかれる立正大学にて新英研全国大会プレ集会(新英研春季ゼミ)がひらかれる。講演『どうすればよいのか,これからの英語教育』大津由紀雄さん(明海大学)ほかの報告をはじめとする提言がある。詳細はウエッブにて。( http://2017.shin-eiken.com/ )